マーフォーク(silvergill) VS ジャンド(天啓)

五城楼杯19th 決勝

そこには二人の強者の姿があった。
silvergillと天啓、山形の地で日頃から調整会を行っている仲である。そんな二人が決勝の卓に座っている。お互い相手のデッキの中身は戦う前からして把握していることだろう
まずは、彼らの紹介からしよう。
silvergillは自身のDNを「大いなるホモ紡ぎ」で検索されて以来、一時だけ『ホモエラさん』の愛称でみなに親しまれている五城楼杯のアイドル的人物である。最近は、蟲さん・けんけんさんの3人でヴェンディリオン三人衆と呼ばれているらしい。そんな彼はマーフォークをこよなく愛し、その中でも[銀エラの達人]は自身の名前をsilvergillとするほど愛しており、自他共に認めるマーフォーク使いである。
対する、天啓はジャンドに石鍛冶をタッチしたmjkcマナ基盤の白ジャンドの考案者である。そのデッキの考案は山形で一時大きな話題になり、同じデッキを作成したプレイヤーがいたほどだ。またそんな彼は天啓杯の主催者であり山形のレガシーを盛り上げているプレイヤーの一人である。そんな彼の今回使用するデッキは、白の入っていない3色のジャンドである。彼は直前の調整までNoバントを使用していたのだが、silvergillとの直前スパーでフルぼっこにされジャンドに変更したというのだ。silvergillからすればそんな彼が決勝卓の正面に座っているのは皮肉と言えよう。


この戦い、色拘束がきつくデュアルランドをセットしたい天啓の土地をsilvergillの[不毛の大地]がいくつ割るかがカギとなってきそうだ。天啓の[血編み髪のエルフ]がsilvergillを襲うのか!
はたまた、silvergillの魚軍団が天啓を襲うのか!

山形のショップでやってろよ!という声が聞こえる中、漢達のガチな戦いは始まった。


Game1
互いに少し考えたがマリガンはせずに納得のいくハンドをキープできたようだ。
先攻の天啓は、[不毛の大地]をケアしてフェッチランドから[沼]を持ってきて[思考囲い]。このハンドをキープできたのは非常にいいと言えよう。対する、[思考囲い]で白日の下に晒されたsilvergillのハンドは、[精神を刻むもの、ジェイス]・[珊瑚兜の司令官]・[アトランティスの王]・[銀エラの達人]・[目くらまし]・[不毛の大地]・[不毛の大地]
著者を含め、ギャラリーも『[霊気の薬瓶]もないのにこいつは何を考えているんだ?』というキープだろう。天啓がデュアルランドセットならよかっただろうが・・・著者には絶対7枚でキープできないハンドである。
silvergill 「ジャンドは土地攻めるだけで勝てるんでキープですよ」
という自信満々の彼に不安を覚えるのは著者だけだろうか
とりあえず、天啓はシングルシンボルの[銀エラの達人]を落としておく。
帰ってきたターン、silvergillは島を引き込めず[不毛の大地]をセットしてエンド。当分のアクションはできなさそうだ。天啓がデュアルランドをセットしてくれれば、可能性はまだある。

だがしかし、天啓はなんとハンドから[山]をセットしたのだ。彼は持ってる勢なのか!
silvergillはまだ島を引き込めず2枚目の不毛の大地をセットしてエンド。天啓の土地を縛るか、薬瓶の1枚でも引ければ可能性はまだ若干あるだろう

そんな可能性を打ち砕くか如く天啓のハンドから出てきたのは[森]これは流石にギャラリーも沸く!なんて奴だ。silvergillのキープの裏を完全にかいていたキープをしていたのだ。silvergillも思わず「ジャンドでハンドに基本地形2枚持ってるとか無いでしょー」と苦笑い
本来の動きができず辛いsilvergill。3t目もアクションがないということは、次のターンもセットランドされれば[血編み髪のエルフ]キャストされるのが見える。ここでどうしても[島]を引き込みたいsilvergillの祈りのドロー。祈り届かず3枚目の[不毛の大地]を引き込んでしまった。相手が基本地形スタートじゃなきゃ、ある意味強かっただろうに

返しのターンで[血編み髪のエルフ]からの[タルモゴイフ]がめくれsilvergillは黙って片づけるのであった。



天啓 1-0 silvergill

結局一度も[島]を見ることなく何もできずに終わったGame1
Game2は[島]を置くことができるのだろうか!?


Game2
今回もお互いマリガン無しでゲームが始まった。
先攻のsilvergillは、次のターンからしっかりクロックを刻める[変わり谷]をセットしてからの[霊気の薬瓶]と絶好のスタートをきった。
返しのターン、天啓はこれを[Bayou]から[自然の要求]でしっかり壊す。お互いに良いハンドをキープしていた。

silvergillは追加の[変わり谷]をセットし、またも[霊気の薬瓶]。これには天啓も苦笑い。
天啓は自然の要求を流石に2枚は持っていなかったようで、[不毛の大地]ケアは諦めフェッチランドから[Badland]をセットし[目くらまし]ケアしてからの[思考囲い]。公開された[珊瑚兜の司令官]・[呪い捕らえ]・[水没]・[大いなる玻璃紡ぎ、綺羅]というハンドから今度の除去が腐ってしまうので[大いなる玻璃紡ぎ、綺羅]を落とす。

[変わり谷]アタックの2点で終えたsilvergillに対し
天啓は[Bayou]セットからの[Hymn to Tourach]で落ちたのは[水没]・[呪い捕らえ]

またも[変わり谷]アタックで終えるsilvergill。[霊気の薬瓶]があるとはいえ。このままでは、確実にじり貧である。
そんなsilvergillとは対照的に天啓は、[Taiga]をセットしまたもハンデスの[思考囲い]。silvergillはこれにレスポンスで[霊気の薬瓶]から[珊瑚兜の司令官]を出す。[霊気の薬瓶]・[四肢切断]のハンドから後者をハンドから落とし、[稲妻]で出てきたての魚を焼き、[タルモゴイフ]着地とまさにラッシュである。

殴れなくなったsilvergillは辛い顔をしながらターンエンド。
天啓は先ほど着地に成功した5/6の[タルモゴイフ]をアタック。silvergillはこれを[変わり谷]でブロックしつつ1マナ出し[四肢切断]をキャストした。[四肢切断]は直前のターンにハンドから落とされたはずなのに。いったい、いつ引いたのか著者に説明してほしい。辛い顔は著者の錯覚だったようだ。思いもよらぬ形で[タルモゴイフ]をされた天啓は動揺しながら[闇の腹心]をキャスト

前方に強大な敵がいなくなった天啓に[変わり谷]が再度襲いかかる。
お互い消耗戦となり有効牌を引き込みたい天啓。そんな彼の願望を叶えるかの如く[闇の腹心]からめくれたのは[血編み髪のエルフ]、がしかし4点もライフルーズはあまりにも痛い。さっきの動揺が影響しているのか!?残り5点となったライフを補うためにも先に[吸血鬼の夜鷲]をキャストしてエンドする天啓。

[吸血鬼の夜鷲]が邪魔で殴れなくなった。silvergillは、先ほどの天啓のEoTに出した[珊瑚兜の司令官]のレベルを上げてエンド
天啓のターン、ボブからめくれるのは[Hymn to Tourach]ここでの2点はかなり痛い。とりあえず、相手の2枚あるハンドを空にするために[Hymn to Tourach]を打った天啓。そんな[Hymn to Tourach]を打ちが落としたのは[霊気の薬瓶]2枚。これを4枚も引いているとか見ているこっちが辛くなる。[珊瑚兜の司令官]を[終止]で落とし、[吸血鬼の夜鷲]でアタック。さすがにsilvergillがかわいそうになってきた。

ボブ死を狙うsilvergillはアタックせずここはエンド。
ここでようやくボブからめくれたのは[Bayou]。ほっと一安心。先ほど4点の代償で得た[血編み髪のエルフ]は[稲妻]をめくりこれを本体に打ち込む。残りライフ15点もあるsilvergillに[吸血鬼の夜鷲]と[血編み髪のエルフ]が襲う。これに対して、silvergillは[吸血鬼の夜鷲]を対象としキャストするのは[四肢切断]。なん、だと!?あんたのハンドさっき[Hymn to Tourach]で空だったんじゃないかと言いたい。

5点のライフからボブ死を狙うsilvergillは1枚しかないハンドを確認し、何もアクションせずにターンを返す
何としても、ボブ死を避けたい天啓。がしかし、それを無視するかのごとくめくれる[永遠の証人]。残りライフ2点となってしまい、これは痛い。とりあえず、ボブ死を防ぎたい天啓はノータイムで[永遠の証人]から[稲妻]を回収しボブを墓地へ送る。しかし、これはあまりにも早計すぎた。EoTから出てくるのは[珊瑚兜の司令官]。当然沸くギャラリー

レベルを上げ魚が空を飛びアタック!!
天啓 「焦ったか―」と言いトップを確認するとそこには土地があった。


天啓 1-1 silvergill


またも一度も島を置くことなく勝利したsilvergill。さっきのゲームのツモが強すぎた
最後のGame3
silvergillは島をセットすることができるのか!
そして、自身の名前でもある[銀エラの達人を]場に出すことができるのか!
ギャラリーの誰もが見守る中、運命のGame3が始まった!!!!


Game3
3ゲーム全てにおいてマリガンがないという珍しい立ち上がりだ。

天啓の先攻から始まった最後のGame、[山]からの[渋面の溶岩使い]というマーフォーク相手に絶好とも言えるスタートに対して
silvergillは[島]をセットしたのだ!この試合最後のGameによぉやく[島]を見ることができ、ギャラリーも沸いた。彼はそこから[霊気の薬瓶]をキャストするという絶好のスタートを切れた
1t目からお互いギャラリーの沸くスタートを切ったのだった。

基本地形スタートを切った天啓は、[不毛の大地]をケアするためにも[樹木茂る山麓]から[森]持ってき[タルモゴイフ]をキャスト。これには[目くらまし]を追放しての[Force of will]が飛んでくる。
silvergillのハンドに生物がいないのか、[変わり谷]をセットしてエンド

[沼]を持ってきたいところだが[樹木茂る山麓]で仕方なく[Badlands]を持ってきて[梅澤の十手]をキャスト。EoT、[渋面の溶岩使い]はsilvergillの[四肢切断]で退場させられ
silvergillは[島]を置き[メロウの騎兵]をキャストしエンド

天啓は、土地をセットしメインで[メロウの騎兵]を[稲妻]で焼き
silvergillの再度唱えた[メロウの騎兵]に[終止]を当てた。序盤からお互い生物を処理し、場の生物といえるものは[変わり谷]ぐらいしかいない。

場に十手があるのだが生物を引き込めない天啓は土地をセットするだけでエンドしてしまう。
対するsilvergillも同様に生物を引き込めず、[霊気の薬瓶]を追加でキャストし変わり谷でアタックするのみ

ここでようやく生物にありつけた天啓。キャストされるのは[闇の腹心]。これを打ち消せず、十手が装備されてしまった。かなり場面的にもきつい
しかたなく[水没]をボブに使い、[変わり谷]で殴るのが精一杯のsilvergill

当然の如く再度唱えられる[闇の腹心]
除去を引き込みたいsilvergillの祈りのドローは虚しく、[不毛の大地]で土地を割るぐらいのアクションしかなく辛そうにターンを返す

帰ってきた天啓のターン。[闇の腹心]は[Red Elemental Blast]を引き込み、天啓は[タルモゴイフ]を唱えた。
生物の全く引けないsilvergillに対して、[梅澤の十手]の付いた[タルモゴイフ]が殴りながら、[闇の腹心]でアドバンテージを稼ぎ勝負あり


silvergill 「さすがに、霊気の薬瓶引きすぎ」
と最後は呟いた。ハンドにはまだ[霊気の薬瓶]があったのだ。



天啓 2-1 silvergill


天啓は、自身の都合で一年の半分以上ギャザに触れておらずなかなか大会にも参加もできていなかった。しかし、先月の第一回天啓杯で見事優勝を飾って以来好成績をおさめ続け、今大会優勝することができた。
ここは著者の想像だが、この結果をおさめたのは時間のあるときはともに調整相手をしてきたsilvergillの存在があったからではないだろうか。常日頃からともに切磋琢磨し、競い合って、そして、最後には己が天啓の最大の相手として立ちふさがったsilvergill
そんな彼がいたからこそ、それを乗り越えて天啓は優勝できたのではないだろか
仲間が自分を成長させてくれた。そんな場面を私たちは目の当たりできたのではないだろうか

マーフォーク使いでありながら、上位には残りはするが1年以上マーフォークで優勝できていないsilvergill
今回は決勝まで残ることができたので、非常に悔しかっただろう
だが、今後とも仲良く研鑽しあって
次回は君が優勝してくれ!



楽しい戦いを見せてくれてありがとうsilvergill!

そして、優勝おめでとう天啓!!

コメント

PC-けんけんVX21
2011年10月23日21:23

>「大いなるホモ紡ぎ」の日記を書いて以来
silvergillさんて少し怖いです^-^

mrgreed
2011年10月23日22:01

アップお疲れ様です!
盛り上がってまいりました!

silvergill
2011年10月23日22:49

すげぇwwこんなん書いてたんですね
期待してます!

kenon
2011年10月23日23:08

>けんけんさん
彼は被害者なんで、今後とも三人衆の仲間として優しく見守ってあげて下さい^^

>mrgreedさん
最後まで書いたので堪能して下さい!
そして感想をw

>silvergillさん
やったことないこと、何でもやりたがりなだけやからwww

クズナイト(34)
クズナイト(34)
2011年10月23日23:57

キター、素晴らしい。お疲れ様です。
次回はkenonさんが書かれる番!

kenon
2011年10月24日0:07

>内藤 芽生(34)さん
至らない文章かもしれませんが、素晴らしいなんて。普通に嬉しいです。
ほな次は内藤さんとの決勝での書かれるか(フラグ

天啓
2011年10月24日0:52

おお。

詳細なレポありがとうございます。
読んでいてめっちゃ楽しかったです^^

kenon
2011年10月24日9:04

>天啓さん
あの決勝はカバレージ書くに値したので書いてて楽しかったです^^
楽しんでもらえてよかったです。そんなこと言われるとニヤニヤしていしまいます。
次回は書かれたいっすwww

mrgreed
2011年10月24日17:58

こういう直球がkenonさんの持ち味だと思います。さらに会場の雰囲気を伝えるよう努めているのがいなくても楽しくなるので良かったです。
次回作または本人が出演を期待しております!

VM
2011年10月24日18:19

なるほど、決勝に残ると自分でレポ書かなくてもいいのか・・・これは勝ちてぇ理由が増えるんだw

kenon
2011年10月24日21:45

>mrgreedさん
そぉ言ってもらえて冥利に尽きます。今回は自分がよく知っているプレイヤーだったのでやりやすかったってのもあります。

kenon
2011年10月24日21:46

>mrgreedさん・VMさん
そんなん言われたら次回も書かざるをえない!

と思ってしまいますwww

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